アニコムグループの動物医療拠点 「JARVIS どうぶつ医療センター Tokyo」施設紹介レポート

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アニコムグループが開設した動物医療拠点、「JARVIS どうぶつ医療センター Tokyo」。

グループの一員として、人とどうぶつとの“出会いの起点”を担うシムネットという立場から、この拠点がどのような考え方のもとで整備されているのかを確認するため、現地を訪れました。

年の瀬が迫る12月。
雪のちらつく仙台のオフィスを出て、「はやぶさ」で東京へ。

品川駅港南口から徒歩6分──成熟したビジネス街区にそびえる1棟のビル。
2025年10月に生まれたこの医療拠点が、今日の目的地です。


画像診断をはじめ、外科、入院・集中治療、夜間救急など。
JARVIS Tokyoは、複数の医療機能を備え、院内で連携しながら診療を行う動物医療拠点
です。

さまざまな症例や状況に対応するための体制を整え、 専門的な医療が求められる場面を支える役割を担っています。
※提供内容や対応可否は、症例・どうぶつの状態により異なります。

 

施設の全体像── 医療機能を集約した動物医療拠点

JARVIS Tokyoは、ペットのための複合施設として設計されています。今回紹介する医療機能は、以下2つのフロアに集約されています。

【1階】診察・検査・処置・手術を担うフロア
MRI・CTなどの画像診断装置と、診察・処置に関わるエリアが配置されています。

【2階】外来・夜間救急・手術・入院・ICU・リハビリテーションのフロア
外来受付から夜間救急、入院・ICU、6室の手術室とリハビリテーションに関する機能が配置されています。

施設全体の構成は、診察、検査、処置、入院、救急といった機能を想定し、フロアごとに整理されています。

1階:診察・検査・処置エリアが集約されたフロア

エントランスを抜け、右手の自動ドアから落ち着いた雰囲気の受付エリアへ進むと、診療エリアの中に配置された検査室が見えてきます。


▲医療クラーク(入院・手術・検査など)用の1階受付
※一般・専門外来、セカンドオピニオン、夜間救急の受付は2階

診療エリアの一角には、ガラス張りのMRI室が設けられています。
シールドガラス越しに、機器の設置状況が確認できます。

その先には、歯科処置室・手術用顕微鏡システム・手術室・CT室が環状に配置された診療エリアが広がり、「診察 → 検査 → 処置」といった工程を想定した構造となっています。

これらの多様な機能がフロアをまたがずに配置されている点も、施設設計上の特徴のひとつです。

総ガラス張りのMRI室

MRIは、磁場と電波を用いて体の内部を画像として表示する装置です。
室内は総ガラス張りの構造となっており、外から様子が分かる開放的な空間として設計されています。

また、飼い主さんの希望や状況に応じて、スモークガラスにより視線を遮ることも可能となっています。


▲磁場への影響を考慮した特殊強化ガラス(RFシールドガラス)を採用。必要に応じてスモークで視線を遮ることも可能。

CT室

CTは、✕線を用いて体の断面を画像として表示する装置です。
本施設では、CT装置を設置するための専用室が設けられています。


▲CT装置が設置されているCT室

手術用顕微鏡システム

手術用顕微鏡は、手術中に視野を拡大するための機器です。
本施設では、手術室内に手術用顕微鏡システムが設けられており、手術室の設備構成の一部として組み込まれています。


▲手術室内に設置された手術用顕微鏡システム。

 

2階:手術・救急・入院機能が配置されたフロア

エレベーターで2階へ上がると、手術・救急・入院機能に関わるエントランスへと続きます。

▲2階エントランス。この奥に手術・救急・入院に関するエリアがあります。

2階は、外来受付、夜間救急、入院、ICU、手術に関する機能が配置されています。

自動ドアの先には、総ガラス張りの6つの手術室が一直線に並んでいます。


▲ガラス張りの手術室。


手術室は、すべてガラス張りの構造となっており、手術室前のエリアから室内の様子を確認できます。

 手術支援ロボット

手術支援ロボットは、手術前の操作を補助することを目的とした機器です。

※本施設で導入している手術支援ロボットは、人間用として厚生労働省(PMDA)のの承認を受けた医療機器を使用しています。現時点では獣医療用としての農林水産省(MAFF)の承認を取得していませんが、アニコム先進医療研究所の倫理審査を経たうえで、獣医師の専門的裁量に基づく適用外使用として運用しています。


▲手術室内に設置された手術支援ロボット

 

人工心肺装置

人工心肺装置は、心臓や肺の動きを一時的に代替することを目的とした医療機器です。
本施設では、心臓外科領域に対応する設備のひとつとして、人工心肺装置が設けられています。


▲心臓外科領域に対応する人工心肺装置。

 

施設構成と体制に関する3つの視点

施設を巡るなかで、JARVIS Tokyoの構成や体制を3つの観点から整理しました。

1|院内で連携する複数の診療領域

脳神経外科、整形外科、循環器科、腫瘍科、歯科……
複数の診療領域に関わる獣医師が、同じ施設で働いています。

さらに、かかりつけ医との連携 を前提とし、必要に応じて情報共有や意見交換が行われる体制となっています。

2|設備設置と空間構成に関する設計の考え方

設備の配置や空間構成については、診察、検査、処置といった工程を想定し、同一フロア内にまとめられています。
また、ICU、処置室、リハビリルームなどは、それぞれの役割を踏まえて配置されています。


▲ガラス張りのリハビリルーム。リハビリテーションに使用する設備が設けられています。

実際にフロアを歩くと、各設備の配置に込められた考え方が把握できる構成となっています。

3|夜間救急に対応する体制

夜間や休日の急変を想定し、JARVISでは、夜間救急の受け入れに関する体制や、 ICU(集中治療室)を含む管理設備が配置されています。

今回は、施設内を巡る中で、人と設備がどのように配置されているのかを確認しました。

おわりに

今回の取材を通して、JARVIS Tokyoが施設設計や設備配置、診療体制をどのような考え方のもとで一体的に構築しているのかを確認しました。

複数の診療領域に関わる獣医師が同一施設内で勤務し、画像診断、外科、入院・集中治療、夜間救急といった機能が一つの拠点に集約された体制がとられています。

こうした施設構成や体制を取材する中で、動物医療にどのような考え方で向き合おうとしているのかについて、あらためて考える機会となりました。

シムネットは、 “人とペットの出会い”を支える企業として、その先にある安心と幸せな暮らしや関係性にも目を向けながら、動物医療を取り巻く取り組みを伝えていきたいと考えています。

今回の取材も、そうした視点から施設の概要や体制を確認するものとなりました。


※本記事は、施設の概要紹介を目的としたものであり、特定の診療行為や治療効果を保証・推奨するものではありません。診療内容や対応可否は症例・状態により異なります。