皆さん、こんにちは。UXシステム開発部・サブマネージャーの瀬川です。
新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて、弊社では3月中旬頃からテストでのテレワークを実施し、4月22日には全社員が完全テレワークへと移行しました。
しかし、弊社ではこれまでテレワークを十分に検討していなかったため、事前準備が一切できていない状態でした。
とはいえ、小さなお子さんやご年配のご家族と同居されている社員も多く、従業員とご家族の安全を確保するには、今回の完全テレワーク実施はまさにスピード勝負。
今回は完全テレワーク実施に向けて、弊社が取り組んだことを紹介していこうと思います。
■VPNの構築
弊社はAWSのディレクトリサービスを使用して、社内のコンピューターと社員アカウントを管理しています。
社員がインターネット網から社内ネットワークに安全に接続するため、AWSのクライアントVPNを導入。
それによって、社内と変わらない使い勝手や管理を実現することができました。
■社内パソコンを全てノートパソコン化
弊社では入社時に希望のパソコンを選択できるため、デスクトップとノートパソコンが入り混じった状況でした。
そこで、今回ばかりでなく、今後のBCP対応も考慮し、全社員のパソコンをノートパソコン化することとなりました。
ノートパソコンの購入台数は、予備も含めると25台に。
初期セットアップやデータ移行など時間がかかる作業が多く大変でしたが、エンジニアを中心に社員一丸となって実施しました。
■コールセンターのクラウド化
弊社は自社サービスのためのカスタマーサポートの部署があり、フォームへのお問い合わせ対応の他に、コールセンターも運営しています。
コールセンターは、シムネット創設メンバーが構築したビジネスフォンで長年実施していました。
以前から老朽化や保守の面から見直しを検討していたのですが、完全テレワークに伴いコールセンターのクラウド化が必須条件となったため、AmazonConnectによるクラウドコールセンターの構築を行うこととなりました。
幸いにも前職からの経験でコールセンタ立ち上げ・運営やAmazonConnectにも詳しかったので、サーバーの立ち上げ・設定、コールフローの作成、キューやルーティングプロファイルの設定、 ヘッドセットの準備、音声品質のチェック・検証など、約2週間程度で完了し、コールセンターの完全クラウド化を実現することができました。
弊社ではユーザーさまに対してアフターフォローも込めたアウトバウンドを行っているのですが、ほとんどのユーザーさまが携帯電話のため、ビジネスフォンでは 17.5円/1分程度の通話料がかかっていました。
しかし、AmazonConnectでは先日、日本への発信通話料が10.92円/1分程度に値下げされたおかげで、 弊社の場合、発信通話料が約40%もダウンする計算になります。
ビジネスフォンではできなかった、ロケーションフリーでの通話、各種通話データの集計・分析、モニタリング、通話しながら他社への相談・転送などコールセンターとしての 機能が格段に向上しただけでなく、ランニングコストも下げることができました。
また、通話のリアルタイム解析や、自動文字起こしによるナレッジ化、社内の管理システムとの連携、生産性管理等、今後の拡張性も高く、これからさらに実用化していくのが楽しみです。
■ボイスチャットの導入
もともと弊社では、テキストチャットは「RocketChat」を使用しており、ビデオ会議は「Google Meet」を使っていました。
しかしながら、テキストチャットでは煩雑だったり説明しづらかったりするので、直接話したいやり取りもあると思います。
そこでオフィスで仕事しているときのように、 気軽に話せる環境を実現するため、色々検証した結果、Discordを導入することとしました。
ゲーマーに人気の高いボイスチャットなので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
Discordはボイスチャンネルを作っておけば、話したいチャンネルをクリックし、参加するだけで、 チャンネル内の全員と気軽に会話ができる素晴らしいツールです。
弊社では、出勤時にあらかじめ作成しておいた部署ごとのチャンネルに参加し、マイクは常時ミュートに状態にしておきます。
また、併せて、会議室のようにいくつかのルームも作成しています。
そうすることで、ちょっとした会話であれば、話したい人がいるチャンネルで発言すればいいですし、 込み入った話は、別ルームに呼び出して気軽に話すこともできます。
チャンネル内の全員でビデオ通話もできるだけでなく、もちろん画面共有も可能です。音声品質も普通に会話するのには、まったく問題ありません。
■勤怠管理システムとエージェントマップの開発
弊社では、もともとオフィスのタイムカードで勤怠管理を行っていました。
しかし、それではテレワークで勤怠管理ができないため、新たにシステム開発を行うことにしました。
単純にボタンを押すだけのシステムでもよかったのですが、利用頻度の高いテキストチャットで発言(またはスタンプ投稿)すれば、 勤務の開始・終了、休憩の開始・終了、外出や私事の開始・終了を記録できるシステムを導入。
これにより、周りへの離席・在席アピールを行いながら、同時に勤怠管理を実現しました。
また、併せて、勤怠データを使って、個人個人の勤怠状況をリアルタイムに表示するシステムも開発し、オフィスにいるのとほぼ遜色なく在席状況が分かるようにしています。
この他にも、インターネット回線を引いてない社員にはモバイルWifiルータの準備や、面接や会社見学会のビデオ通話への切り替え、ディスプレイや周辺機器の貸し出しなど、 細かな対応を行い、オフィスにいるのとほぼ変わりなく、また業務効率を落とさないような対策を講じました。
弊社では、3月上旬にテレワークの話がでて、早い人では3月31日から完全テレワークに。
その後段階的に完全テレワークに移行し、4月22日からは 全社員テレワークを達成することができました。
1からテレワーク環境を準備するのは大変でしたが、 全社員一丸となって取り組んだからこそ達成できたと思っています。
ちなみに、テレワーク実施してからの弊社オフィスはこんな感じ。見ての通り、人っ子一人いません。
弊社もしばらくは様子を伺いながら、従業員やそのご家族の安全を最優先に、テレワークを継続していきたいと思っています。