「MarkeZine Day 2017 Special in Tohoku」に行ってきました!

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こんにちは。Webメディア事業部のショウジです。すっかり寒くなりましたねぇ。食欲の秋、食べられる時に食べられることはとても幸せなのだなとなんだか思う今日この頃でございます。みなさま、元気にお過ごしでしょうか……?

 

さてさて、突然ではございますが。実は私、みなさまの予想に反して勉強好きなのです。

 

……様々な方面からのツッコミが予想される一言ではございますが、たまには有言実行。少し前のお話にはなりますが、10月17日にエル・パーク仙台で開催された『MarkeZine Day 2017 Special in Tohoku』(株式会社翔永社主催)に参加して参りました。

【プログラム】

  • 「モバイルシフト」に対応しよう~スマートフォンを活用した広告コミュニケーション手法とは(LINE株式会社 松本氏)
  • 失敗しないデジタル広告、まずは顧客の姿を思い浮かべよう!(ヤフー株式会社 龍氏)
  • 開拓者に聞く!彼らはどうやってデジタルマーケティングの世界に飛び込んだのか(アンダス株式会社 前田氏、株式会社アブソルートワン 本松氏、株式会社アイアンドシーパートナーズ 杉山氏、モデレーター:TATEITO株式会社 平野氏)
  • デジタルに投稿したコンテンツが、全国に、世界に届く 実践企業によるパネルディスカッション(株式会社伊藤久右衛門 足立氏、株式会社トントンハウス井藤氏、モデレーター:株式会社翔泳社 倭田氏)

 

コンテンツ制作に携わる者にとって、マーケティングの目線に立ったコンテンツ企画は必須ですよね。仙台ではなかなか得られない貴重な機会だと考え、身になる話が聞けたらなあと思い会場にやってきました。

 

ダイジェストでお送りします

さて、すべてをお話すると大変なボリュームになってしまうので、イベントに参加して印象深かったポイントを主観でお話ししていきます。

 

スマートフォンの利用
  • スマートフォンの個人保有率は50%。20~30代は9割にのぼる。
  • スマートフォンは20代の利用率がやはり高い。30~40代では男性より女性の利用頻度が高い。
  • 20代はPCを使っていないユーザーも多い(約半数近く)。
Web広告の工夫
  • スポンサードサーチをWebサイトへの集客、ディスプレイアドをブランディングに使い分けて活用。ブランディングの向上により、ビッグワード以外からの検索行動を促し広告の費用対効果を高める。
  • 地域に合わせたライティングの工夫。方言を用いるなど、表現を工夫し広告を出稿する。
地方企業の生き残り方
  • Webで情報は得られるが、東京と比べ情報格差はある。やはり実際に最前線へと飛び込んで肌感覚で情報を得ることが大切。そして、社員が学び続ける機会を企業としてどう提供していくかがカギ。

 

「マーケティング」にいちばん大切なこと

4つのセッションは、基礎的なお話から実体験までバラエティ豊富な内容でした。そして、それぞれの内容は異なってもすべてに共通する姿勢があるなと気づきます。

 

≪ポイント≫

■市場動向はもちろん、自分・自社の『強み』を明確に知る。そして、『強み』を届けたい相手をしっかりと知り、ターゲットを設定する。『どこで、どんな風に』伝えれば効果を最大化できるかを考えて行動する。

■マーケティングは営業活動。マーケティングリサーチと混同しない。『お客様がこう思っている傾向が出ました』という調査結果を頼りにただ迎合した施策を打つのではなく、ユーザーの存在を意識しつつも自ら考え抜き主体的にアプローチする。

■お客様のニーズや悩みに応えられるサイトづくりを進める。その姿勢を大切にしていたら、実際に検索順位が上がった。SEOはお客様に情報を伝える手段の一つ。あくまで、ユーザーと真摯に向き合うべき。Web上ではあるが、お客様(ユーザー)と実際に会ってコミュニケーションをとるような感覚を持とう。

■『ユーザーがどう見ているか、どう考えているか、どんなコンテンツを届けたらいいか。』それを考え抜く。ショートカットできる必殺技は無い。粘り強く進める。

■方法論から入ってしまう方が多いが、それはナンセンス。『ほかがやってるから、うちも』ではなく、マーケティングはあくまで自己を活かす手段。アナログ・デジタルという手法は異なっても、ベースは同じ。よく考えて実践すべき。

 

己を知り、相手を知り、考え、行動する……マーケティングにおける基本的な姿勢ではありますが、改めて痛感しましたね。

 

象徴的なスライドが、こちらです。

 

※ヤフー株式会社 龍氏のスライドより

 

すべては『相手にどう伝えるか。相手にどう届けるか。そして、相手は喜んでくれるのか。』そのために、考え抜けるか。思考の先に行動があるんですね。

 

今回のイベントでは、第一線で活躍している方の「生の声」を通して発見と再確認ができました。とても有意義な時間で、参加できてよかったです!

 

私はこれまでいくつかのクリエイティブ現場に身を置いてきました。そして、現場では『思考の量が、アウトプットの質を高めるんだ!』と時に優しく時に手荒く諸先輩から叩き込まれてきました(イヤには……なりませんでしたよ!きっと笑)

 

大きな話をすれば、きっとクリエイティブ全般に当てはまるんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

私事ですが。最近、科学研究のアプローチ方法について学ぶ機会がありました。超のつく文系の私、これまであまり理系の分野に触れることはありませんでしたが……調べてみると、とても興味深いもので。

 

研究アプローチには、心理学の観点から進めていく方法があります。そのなかで『行動心理学』『認知心理学』の関係性についてふと目が止まりました。二つの心理学は、それぞれが対抗する関係にあります。

 

例えば『○○の表示が●●だから、変だよね』と行動に対する原因を明らかにすることで仮説を立てるのは行動心理学的なアプローチ。『なんで、人は“変に思う”のだろう?』と人間の認知機能を研究対象として仮説を立てていくのが認知心理学のアプローチです。

 

行動心理学の観点に基づいた科学研究では、人間の心的要因(認知)を『錯覚』として排し、研究を進めます。

 

一方で、今年10月26日、九州大学の研究チームが行動心理学的アプローチでは解明できなかった『不気味の谷』現象を、認知心理学的アプローチで解明しました(※1)

 

不気味の谷現象とは?

「人間のロボットに対する感情的反応について、ロボットがその外観や動作において、より人間らしく作られるようになるにつれ、より好感的、共感的になっていくが、ある時点で突然強い嫌悪感に変わると予想した。人間の外観や動作と見分けがつかなくなると再びより強い好感に転じ、人間と同じような親近感を覚えるようになると考えた。」(引用、※2)

 

不気味の谷現象は、人間かロボットか見分けがつかない“ある時点”で人間は嫌悪感(高まってきた好感や共感が“谷”に落ちた状態)を覚えるとされています。その理由は『人間かロボットかを分類できないことが、嫌悪感を生む』とされていますが、『分類できないことで、なぜ嫌悪感を覚えるのか』は50年近くの間、解明されずにいました。

 

九大研究チームはこの点に着目し、『何が不気味のなのか』ではなく『誰が不気味を感じるのか』と人間の認知に注目してアプローチを進めていきます。

 

その結果「未知への不安を抱きやすい人ほど、分類困難な対象を不気味と感じやすい」(引用、※1)と感じやすいことが解明されたのです。

 

人間の行動は、すべて人間に帰結する

突然理系まっしぐらの話になりまして。一体何のブログなんだという感じではありますが……でも、理系、文系関係無いと言うか。この研究結果には今回の記事にも共通するテーマが潜んでいるのかなと思いまして。

 

Web技術は“ドッグイヤー”と言われるほど、加速度を強めて発展しています。では、何のために技術は発展するのでしょうか?技術の発展は、何にメリットをもたらすのでしょうか?

 

私個人の見解としては『人間が、人間の役に立つため』に技術の発展があるのだと思います。

 

先述した認知心理学は、現代心理学の主流となりました。ですが、それもまだたった50年ほどの話。人間の認知機能に注目した研究アプローチは、これまで解明されていなかった謎をどんどん明らかにしていくでしょう。

 

これからは、単なる方法論ではなく『人が、どんな風に感じ、どんな風に思うのか』を前提にした、Web技術の進化やコンテンツ作成がより強く求められていくはずです。

 

だからこそ、一人ひとりが考えなければいけないと思います。

 

 

『相手にどう伝えるか。相手にどう届けるか。そして、相手は喜んでくれるのか。』

 

 

……改めて、大切にしなければなと心から思いました。

 

とってもながーい話はこれにて終わりです! お読みいただきまして、ありがとうございましたー!!

 

★「MarkeZine Day 2017 Special in Tohoku」(株式会社翔永社主催)イベントの詳細はこちら

http://event.shoeisha.jp/mzday/20171017/

 

 

【記事参考・引用】

※1:九州大学「不気味の谷を引き起こすのは”未知への不安”であることを解明」(記事参考・引用)

https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/187

※2:Wikipedia「不気味の谷現象」(引用)

https://goo.gl/hRr1kk

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